物語ハムレット (シェイクスピア・ジュニア文学館 6)

定番中の定番。シリーズの内、どれを購入しても良かったがネームバリューのわりには中古品が安値で出ていたので購入した。なお、ロミオとジュリエットについては新品とほとんど値段は変わらない模様。

きっと面白いという先入観で読んでしまったからだろうか、あんまりおもしろくない。悲劇だということは読む前からわかっていたが、後味が悪いなりにも何かしらの爽快感は得られると思っていたのが大間違い。張り巡らされた伏線が回収されることもなくグダグダに終わっていった…と考えていいのだろうか…まぁ第一印象そんなところだ。人生はそんなドラマチックではないので、また違った風味のリアリティーはあるわけだが… 。物語としての完成度が高い作品は他にももっとたくさんあるだろう。少なくとも自分にとっては「古いこと」以外に特別な印象は持てなかった。確かに哲学的な部分は割と面白いし、ダジャレや言葉の理を通じて深いメッセージが込められていそうな気もするんだが…なにぶん翻訳なので魅力のほとんどは伝わっていないと思われる。児童向けということで内容は簡単にまとめられているのだろうか? この本を楽しむには私はあまりにも一般教養が不足しているのだろう。演劇部の高校生が演じる題材として打って付けなのは間違いない。そうか、これは小説というより、劇の台本なんだな。なるほど、本ではなく、舞台を見て楽しむ作品なのだな。

子供にとっての評判もあまり芳しくない。たぶん読んでないだろう。というか小学四年生にはちょっと早いような気がする。まぁ置いてあれば暇な時に読むだろう。

もうちょっと挿絵が多ければ興味を持てたかもしれないが…小説の挿絵には賛否両論あるだろうが、控えめにするのなら、わざわざ里中先生を引っ張り出して来なくてもよかったのではないだろうか? 。そこに期待して購入した人もいるわけだし。割と一冊のお値段も張るのでこのままコンプリートを目指すのは躊躇してしまうなぁ。