2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

モノづくりのヒント

モノづくりのヒント 解説 第二章萬物作焉而不辭、生而不有、爲而不恃、功成而不居。 仕事を始めても何も言わず、根回しが終わっても成果有りとせず、達成しても見返りも求めず、周囲が成功したと認めても居座ったりしない。 関係する章

道者の天下取り

道者の天下取り 解説 聖人とは天下をよく治める人である。かつて、道を極めた聖人が天下を治めたのなら、道を行くことは天下を取ることを意味する。道は無為だと言ってみたところで、結局は天下が転がり込んでくるわけだから、どうやって天下を取るかも書い…

悲しくなったとき-道者のつよがり

悲しくなったとき-道者のつよがり 解説 人は誰でも気持ちが揺れ動く。時には悲しい方向に。特に道を行くことは常に損をすることである。報われない人生に嫌気がさしても不思議ではない。そんな道者たちのために、自分の気持ちを慰める話しも用意されている。…

明-浅はかな智慧と絶対的な智慧

明-浅はかな智慧と絶対的な智慧 解説 老子は随所で無知であれと言っている。では、本当に何も知らないでいいのかといえば、そうでもない。一体、何を知るべきで、何を知るべきでないのか。まず、知るとは何か。第三十三章に、「人を知るのが智」とある。これ…

人を信じる

人を信じる 解説 老子は性善説と言われる。愚民政策を提唱するような人が性善説なのかと引っかかるところはあるが、要所で「信じる」「信じないと信じられない」と言っているのだから、人を信じることを是とすることに間違いはない。念のため箇条書きでまと…

徳について

徳について 解説 道徳経の名が示す通り、徳は道に続いて重要な概念だ。特に関連する章をピックアップして徳の姿をさぐってみた。 徳とは一般的には人の奥ゆかしい心や行いをいう。これらの徳は徳者のふるまいを例にあげれば、日常で見ていることもあってすぐ…

無名の樸

無名の樸 解説 樸という字は六回登場する。特に無名の樸として、とらえどころのない存在として描かれる。まず、樸は文字としては「切り倒したばかりの木の丸太」の意味を持つ。「名」は固有名詞を付けて違いを認識できるようになったものであるから、「無名…

道者が争うとき-不争の徳

道者が争うとき-不争の徳 解説 不争という言葉は七つの章に登場する。つまり、争いを避けることは老子の教えの中でも重要な位置を占める。そこで、なぜ争ってはいけないのか、そのメリットとデメリットをまとめた。その結果、道者は必ずしも不戦を貫く平和主…

専門用語

専門用語 解説 老子には独自の世界観があり、それを説明するために、たくさんの造語・専門用語がある。大抵は是謂や、是所謂で語られるが、各章に散らばっていたり、微妙に言い回しが違ったりと、初見では全容を掴みづらい。そこで、それらをここに集めてみ…

逆転の発想

逆転の発想 解説 老子の面白さは逆転の発想にあるだろう。善悪の価値観を逆転させると意外な発見がある。この驚きが老子の魅力の一つであることは間違いない。この発想の転換は、特に創作活動をする人にとって大きなヒントとなる。そこで、老子的転換術をま…

聖人の心得

聖人の心得 解説 やってはいけないこと衿:第二十二章で不自矜故長。第二十四章で自矜者不長。第三十章で果而勿衿。伐:第二十二章で不自伐故有功。第二十四章で自伐者無功。第三十章で果而勿伐。驕:第三十章で果而勿驕。彰:第二十二章で不自是故彰。第二十四…

失敗する人

失敗する人 解説 良くない手本として失敗する人の例がたくさん出てくるのでピックアップしてみた。たいていは「強いのに欲張ってさらなる高みを目指してしまう」ことと「余計な競争に勝つために悪知恵を働かせる」ことに収束するので、まとめはしない。各章…

谷-低いところへ

谷-低いところへ 解説 道の姿は水を貯めた容器にたとえられる。よって、水の特性を知り、水を貯める秘訣を知ることが道への近道となる。低いところへ流れるのが水の特性の一つであるから、自ずと川や海がたとえで出ることになる。そこで水が流れる章をまとめ…

極と中

極と中 解説 中庸。極端を避けて中くらいを維持する。この「中庸の良さ」は古今東西を問わずさまざまな賢者が「最も良く最も難しい」と言及してきた。上昇志向の厚い孔子であっても最後には中庸が最も良いと言った。老子もそこは同意見だったようだ。老子ほ…

聖人の統治

聖人の統治 解説 聖人は上手に天下をまとめる人である。では、どうやってまとめるのか。老子に出てくる統治関連の話題をざっと集めてみたが、少々一貫性がない。解釈に悩むが、聖人を目指す人の生き方には二種類あると考えてみた。詳しくは極と中の最後の方…

無への回帰

無への回帰 解説 老子を読み進めていると「帰」「反」「復」などと言った文字が何度か出てくる。どうやら道は必ず返る動作を起こすようだ。人もまた道に従うならば返るのが自然だろう。ここでは返ることに触れた章の要点をまとめた。・成功したら長居しない…

無為のこころ

無為のこころ 解説 老子には「無為」がいたるところに出てくる。その無為は本当に何もしないように見えることもあるし、ものすごく頑張って行動しているようにも見える。ちょっと読んだだけでは到底「無為」を理解できそうにない。そこで、無為とは何なのか…

道の神秘

道の神秘 解説 道に関する章はどれも難解でとっつきにくい。目に見えない物を説明する難しさを理解させるためにわざと難解な文章にしているのかもしれない。そこで道の姿を描いたと思われる神秘的な章をピックアップし、総合的に判断するための手掛かりを用…